生きづらさと愛着障害
なんでこんなに生きづらいんだろ。とここ数年ずっと思っている。正確に言うと小学校、浪人時代、大学時代を除く期間はほぼ生きづらいと感じていた。
私の生きづらさというのは、
・友達がほしいと思ってサークルに入ったり習い事をしたりしても、いざ人と対面すると怖くて話せなくなってしまう。よく知らない人=自分を攻撃する人、というイメージ。自分から避けたりもする。特に、その場が「和気あいあい」していたり「意識高い系」だったりすると、無理!となる。迫害されそうな気がする。ただ、一対一で話したり、仕事など自分の役割がはっきりしている状況だとほとんど人見知りはしなくなる。
・神経過敏で人の顔色をうかがい一喜一憂する。親しくなればあまり気にならなくなるけど。
・電車の中やカフェなどの公共の場で、赤の他人の笑い声、話し方、足音、仕草とか細かい部分が気に障ることが多い。
・相手に慣れてきても、それはそれで嫌な部分が目につき嫌いになる場合が多い。特に職場の人。たぶん相手の人格に対する期待値が高すぎるんだと思う。
・ふつうの人は正直あんまり好きじゃない人とも遊んだり、(主に陰で)愚痴を言いつつ適当に付き合ったりすると思うんだけど、そういうことが不潔に思えて難しい。嫌いになると露骨に態度に出てしまうか、極力関わらないようにする。そりゃ仕事関係で嫌な人とも付き合うのは仕方ないけど、プライベートでも表では調子いいこと言っといて裏でぐちる人が時々いて理解に苦しむ(そういう人にとってはベストの暇つぶし方法=人付き合い、なんだと思う)。
・相手との接点がなくなると人間関係が切れることが多い。上記からも明らかなように、人と一緒にいることがあまり自然じゃないので・・・。ごくごく少数の高校、大学の友達とも連絡を取るのは年に一回程度。関係を継続させることにあまり意味を感じない。その場その場で状況や考え方が似てる人と付き合えばいいと思ってるけど、ちょっと割り切りすぎ?とも思う。
・他の人にあまり自分の本心を言わない分、恋人に依存しすぎる。振り回して愛情を確認しようとしたりする。
・家で掃除とかしてると嫌な記憶ばかりが蘇り、気が滅入る。基本的には外に出れば良くなるけど、東京はどこもごみごみしているのでそれはそれで疲れる。
・基本的にやる気がなく、時々何もかもがあほらしく感じる。何をしてもしばしば脳内で「これって何の意味があるの?」の質問責めに合う。
・一か所(の職場)に長くいると息が詰まり、「本当の居場所」探しの旅に出てしまう。
などなど。これっていったい何なんだろ?と思い、先日ベッドで寝っころがりながら対人関係関連の書籍を調べていたら、愛着障害という言葉に出会った。そして、その内容がかなり私に当てはまっていた。まあ全部がこれのせいとは思わないけれど。
というわけで今この本を読んでいる。
愛着障害とは
・幼少期(3歳くらいまで)に子供が母親や養育者と安心できる関係(愛着)が築けなかったことが原因で、他人ともうまく関われなくなること。愛着障害があると他人に気を遣いすぎたり、他人を避けたり、依存したり攻撃的になったりする。また無気力、無関心になりやすいなど仕事や人生そのものにも影響を及ぼす。
・親と和解したり恋人や友人と良好な関係を築くことで障害を克服できる人もいるが、子供時代から成人後まで、中には死ぬまで障害に苦しみ続ける人もいる。著名人では夏目漱石、川端康成、ヘミングウェイなどの作家に非常に多く、オバマ大統領や、生まれてすぐ養子に出されたスティーブ・ジョブズも愛着障害を持っていたとされる。
詳しくはこちらの解説を。
愛着障害にもむやみに他人に愛着を求める不安型、人を避けたがり他人に無関心な回避型、両方が混ざった恐れ・回避型などのタイプがある。
↓のサイトから自分のタイプがチェックできるので気になる人はぜひ。
愛着スタイル診断テスト
このチェックをやったら私は安定型:7、不安型:11、回避型:18だった。つまり、基本的には他人に無関心で避けたいんだけど、同時に人から愛されたくてしょーがないという超めんどくさいタイプということらしい(恐れ・回避型)。
近年、発達障害(ADHDやアスペルガーなど)は一般にも認識が広まりつつあり、ちょっと変わってるというだけで「あいつはアスペ」とか言われるような風潮もあるようだけど、発達障害と思いきや本当は愛着障害だったというケースもかなり多いそうだ。発達障害は主に先天的な要因で起こるが、愛着障害は生まれてからの環境によって引き起こされる。発達障害と思われていた子供の愛着の問題を改善したら、学習能力が大幅に向上した例もあるとのこと。
そして愛着障害を持った人は現在、増加傾向にあるらしい。一人っ子が多く、戦前やベビーブーム時代に比べると子供はものすごく保護されているし、一人あたりの子供に与えられる資源の量は格段に増えているというのに。それは結局、世の中全体で愛着が軽視されるようになったからだ、と↑の本の著者である岡田氏は言う。仕事や生活が忙しすぎて、親が子供と一緒にいてもスマホでゲームやらせて大人しくさせておくとか、電車でお年寄りや妊婦が目の前にいても席を譲らないとか、誰とも一言も口をきかなくてもあらゆるものがネットで買えるし全く生活に困らないとか、そういったことかなと思う。昔は祖父母や近所の人が子供を助けてくれたけど、今は両親が毒親だった場合にどこにも逃げ場がなくなってるんだろうな。
※追記
幼少期に親に虐待されたり養子に出されたといった極端なケースでなく、両親が揃った一見普通の家庭で育った場合でも愛着障害を持つことはあるそう。例えば、親が普段は優しいけど気分次第でネグレクトしたり、成績が下がると激しく責めたり、兄弟の片方だけを可愛がる、といった場合。